CADACROSS
(カダクロス)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・デスメタル

CORONA BOREALIS / 2002年作 / 87点
フィンランド出身の7人組シンフォニック・デス・メタルバンドの二枚目のアルバム。
音楽性はKeyをたっぷり使い、ツインGtと絡めたシンフォニックなデスメタル。非常に流麗な展開で、Keyがかなり全面に出ている為、透明感があります。それがデス声と不思議にマッチしてるんです。
声は典型的で、デス初心者でも問題無し。時折女性ヴォーカルも入り、雰囲気を盛り立てる。国内盤も出ているので、クオリティの方も十分。ジャケットもどっかの国旗みたいですごく格好良い。これと言った問題点はまったくありません。
デスメタルらしい猛々しさは声のみと言えますが、最近はこういうのも主流の1つとして認知されているので、「ブラックはダメだけどデスが聞きたい」という方にお勧めです。
「Flaming Ember」はクサメタラーなら悶絶決定の名曲です。特に間奏部分は最強!


CAIN'S DINASTY
(カインズ・ダイナスティ)
出身地‥‥スペイン
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

LEGACY OF BLOOD / 2008年作 / 70点
スペイン出身の若手メロパワバンドの1枚目。
エロティックなジャケットで男ならついつい手に取ってしまいそうになってしまいますが、ちょっと待って下さい! 出来れば、これを読んでから決めてもらいたい。
スタイル的には王道中の王道、初期SONATA系のメロパワをやっています。適度な疾走感、クサめな歌メロ、メロパワに求めらているであろう要素は一通り盛り込まれており、「やっぱり俺ってこのスタイルが好きなんだよな〜」としみじみ感じました。
しかし、このスタイルのお決まりというか呪いというか、当然の事ながらSONATAにはまったく追い付いておりません。兎にも角にもVoでしょう。”下手”と切り捨てるほど酷くはないですが歌い方が雑というか乱暴で、もっともっとレベルを上げて丁寧な歌い方をマスターしないと苦しいと思います。
また、楽器もメロディも全てまだまだ荒削りで、もっと洗練させないと一流にはなれないと思います。正直な意見を言わせてもらえば、よくこれで国内盤が出たな、と思いました。
お気に入りは「Legacy Of Blood」。冒頭を飾る1曲目。帯でも褒めてますが、もしかしてこれしか褒めたいと思った曲がなかったとか?
まだまだ若そうなので、鍛練あれ!


CAIN'S OFFERING
(ケインズ・オファリング)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

GATHER THE FAITHFUL / 2009年作 / 84点
SONATA ARCTICAを脱退した(解雇された)童顔ギタリスト、ヤニ・リマタイネンが立ち上げた新バンドの1枚目。VoはSTRATOVARIUSのティモ・コティペルトが担当しています。
最近のSONATAに納得がいかない人が留飲を下げる内容だと言われており、確かにヤニのソングライティングらしい透明感溢れる抒情的なメロパワがたっぷりと詰め込まれています。
最近はREIN XEEDやCAIN'S DINASTYのように原点回帰的な作品もチラホラと出てきましたが、やはりその中でも頭一つ出た出来栄えだと思います。想像していた通り、ヤニのGtははっきり言って超地味ですが(裏方に徹してます)、その分Keyが非常に頑張っておりドラマチックさはここ最近のSONATAをも凌いでます。ティモのVoも無理なくしっかり歌えていますし。
ですが、「凄く良いか?」と言われたら残念ですが「YES」とは答えられません。SONATAを比べてしまうのは酷なのかもしれませんが、メロディのレベルではSONATAの足元にも及んでいません。全体的に「綺麗」で終わってしまい、「これは凄い!」にまで至ってないんですよね(最近のSONATAもそうだけど)。やろうと思えばすぐにでも出来そうなだけに余計残念です。
お気に入りは「Tale Untold」。非常にシンプルな北欧疾走曲。何だかREIN XEEDの曲っぽい(笑)。まあ、同じ土俵だから仕方ないか。
ヤニはSONATA時代に「My Selene」という超名曲を作っているので、出来ればこの後、このバンドであんな曲を作ってほしいものです。

STORMCROW / 2015年作 / 92点
6年ぶりの2枚目。ヤニ君は音楽でメシを食べているんだろうか‥?
Keyが交代してSTRATOVARIUSのイェンス・ヨハンソンになっており、Voもティモ・コティペルトなんだから、もはや「ヤニがGtやってるSTRATOVARIUS」と言っても良いかもしれません。
さて、本家SONATAがどうにも煮え切らない作品ばかり作っているので、どうしてもメロスピ好きはこっちを気にしてしまうわけですが、前作に比べると飛躍的にレベルアップしたと思います。
前作はメロディアスでキレイだけど全体的に淡々としていて抑揚に欠けると自分は感じました。それが本作では進む所はガツガツと行き、盛り上げる所ではオーケストラをジャンジャンと使い、バラードは静かに流す、と言った感じで緩急をシッカリとつけてきたと思います。曲毎にメリハリがついて、 とても聞きやすくなったと思います。
そしてやはりその美しいメロディです。「SONATAが失ってしまったモノがココにはある」そう断言しても良いと思います。それくらいキラキラと輝く北欧メロディが息づいている。
出だしから飛ばしてくれる「Stormcrow」、小走りなリズムが癖になる「The Best Of Times」、全メロスピファン失禁確実の疾走曲「I Will Build You A Rome」と「Constellation Of Tears」、シンフォニックアレンジが壮大で本作で私が最も気に入った「Antemortem」、心地良いKeyが良い「My Heart Beats For No One」、6分ものインストながらシンフォアレンジが美味しすぎる「I Am Legion」、ボートラながらSONATAの2枚目辺りを想起させる「Child Of The Wild」と捨て曲ほぼ無し。
正直、あまり期待はしてなかったんですが、ビックリしました。素晴らしいメロスピアルバムだと思います。メロスピ好きなら絶対に聞くべき1枚です!


CANS
(カンス)
出身地‥‥ドイツ
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

BEYOND THE GATES / 2004年作 / 80点
ハンマーフォールの激アマヴォーカリスト、ヨアキム・カンスのソロアルバム第1弾。近くのCD店で1000円で叩き売られていたので買ってみました。
なるほど、ソロを出す理由も分かりますね。ハンマーフォールではやらないようなへヴィでダーク(でちょっとだけプログレ)な楽曲が並んでいます。ジューダス・プリーストっぽいとでも言えばいいんでしょうか? でも、Keyも結構キラキラ言ってるし、今風正統派とでも言えばいいのかな。よく分からないや。でも、カンスの歌声が入ると自然とハンマーフォールっぽいっすね。まぁ、今までそれ以外で聞いた事無いからでしょうけど。
で、へヴィさを求めた為か早い曲がありません。全部とろいです。ハイ・テンポなのもありますけど、ハンマーフォールに比べると亀ですわ(笑)。まぁ、それがカンスの狙いなんでしょうけど、個人的にはハンマーフォールの方がいいように思いました。
私が単純馬鹿ってのもあると思うんですけど、私は技巧には全然こだわらず、メロさえ良ければそれでOK派なんで、彼の目指したソロはちょっと面白くないです。
お気に入りは「Fields of Yesterday」と「Dreams」の2曲。前者はサビメロが印象的、後者はライナーでも言ってましたが、初期のボンジョビみたいで聴いてて面白かったです。やっぱしカンスっちはトカゲ顔のオスカー・ドロニャックと組んでずっとハンマーフォールだけでやってほしいって感じっすね。オスカーはやっぱりメロ作りが上手いなぁ、と再確認した1枚でした。


CARCASS
(カーカス)
出身地‥‥イギリス
ジャンル‥‥グラインドコア〜デスメタル

NECROTICISM:DESCANTING THE INSALUBRIOUS / 1991年作 / 65点
「リヴァプールの残虐王」の異名を持つ、グラインドコア・デスメタルバンドの3枚目。ちなみに邦題は「屍体愛好癖」。
一応1、2枚目も聞いたのですが、最悪の音質、メロディもへったくれもない粗雑な演奏など、とても(私の耳には)聞けたものではなく、レビューすら出来ませんでした。
3枚目である本作は後にARCH ENEMYを結成する事になるマイケル・アモット(Gt)が加入した初めてのアルバムで、少なくともグラインドコア的な気持ち悪い要素は消え、比較的オーソドックスなデスメタルアルバムになっています。
私はマイケルが加入したというただそれだけの理由で本作を聞きましたが、本作はまだまだ「デスメタル」で、「メロディック」とは形容しがたく、マイケルの18番であるメロディアスなパートはほんのごく一部しかなく、正直物足りなさを感じました。覚悟はしてましたけど、ここまでとは‥‥。
デスメタル好きにはいいのかもしれませんが、メロディを愛する私には最後まで聞くのが大変辛いアルバムでした‥‥。

HEARTWORK / 1993年作 / 80点
「メロディック・デスメタル」の先駆けと言われている名盤の誉れ高き4枚目。
基本的な路線は前作と同じですが、本作でははっきりと「メロディアス」と言える部分が大幅に増えています。これはARCH ENEMYの1、2枚目と同じ感触と言っていいと思います。
1曲目から抒情的なギターソロが登場しビックリしました。この扇情的なソロは間違いなくマイケルの仕業です(笑)。この後も非常に聞き易い曲が目白押しで、なるほど確かにこれは「メロデス」と言えますね。
まあ、ARCH ENEMYの3枚目とかからメロデスにハマったクチとしては、この作品でもまだ「メロディアス度が足りない」と感じてしまうのが正直な所ですが、泣きまくるギターソロや心地良いリフなんかはやっぱりカッコイイと思います。
お気に入りは「Carnal Forge」。爆走するデスラッシュ。タイトルトラックの「HeartWork」も好きですが、どちらかと言うとコッチですね。

SWANSONG / 1996年作 / 80点
5枚目にしてラストアルバム。ちなみに「SWANSONG」とは「白鳥の歌」と言う意味ではなく「遺作」という意味らしいです。
方向性の違いでマイケルが脱退、レーベルとのトラブルで創立者だったビル・スティアーも脱退。残ったメンバーが「これで終わりにしよう」という意味合いを込めて作った作品らしいです。
そのせいなのかは分かりませんが、前作のメロデススタイルから更に大きく変貌しており、「正統派メタル+デスVo」というもはや初期とは全く異なるスタイルになっています。
世間一般的には最も評判が悪く、私自身も前作が結構気に入っていたので、この似ても似つかない姿にはビックリしました。が、これはこれで決して悪くはないと思います。サウンドは過去最高だし、グルーヴィーなメロディもカッコイイと思います。特にドラムの音が胸に心地良いんです。
これまでの「色」があまりにも強烈だったので、変貌した彼らを受け入れられず、評価されなかったんだと思います。まあ確かにここまで変化するバンドも珍しいですからね。
お気に入りは「R**K The Vote」。イントロがIRON MAIDENっぽくていいです。

SURGICAL STEEL / 2013年 / 85点
奇跡の復活を遂げた6枚目。ちなみにジェフ・ウォーカー(Vo&Ba)とビル・スティアー(Gt)はいますが、ケン・オーウェン(Dr)とマイケル・アモット(Gt)はいません。
さて、前作から17年ぶりの新作となります。おーおー、悪くない感じですねw 方向性としては4枚目「HEARTWORK」からマイケルの抒情性を減らし、今風にアップデートさせたような感じです。5枚目は無かった事にされてますな‥‥。
ガツガツと突き進みながら、甘くなりすぎない程度にメロディが組み込まれており、非常に硬質でカッコイイです。特に良いと思ったのがDrです。ダニエル・ワイルディングという知らん人なのですが、激しい展開にも決して乱れないカッチリとしたドラミングで、この「硬さ」が非常に気に入りました。
ジェフのVoは17年も経ったのにまったく不変w 一方のビルのGtはザクザクと切り刻むようなリフと、マイケルほど泣かないビターなGtソロが実に決まっていて「このリフがCARCASSだよな〜」って感じがしました。

お気に入りは「Unfit For Human Consumption」。中盤辺りにあるミドルで正統派な香りが強い1曲。ぶっ飛ばすタイプの曲ではないですが、ビルのリフがカッコイイです。
大好きなジャンルではないので、点数的には↑な感じですが、エクストリームな音楽が好きな人にとってはたまらない作品なのではないかと思います。


CARDIANT
(カーディアント)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル

MIDDAY MOON / 2005年作 / 90点
メタル名産地フィンランド出身のメロスピバンドの1枚目。
音楽性はありきたりですがソナタ系のキラキラ疾走系。彼らほど垢抜けてはいないので、ドリーム・テイルの1枚目に近い感じです。
Voは超上手いとは言えませんが、無理にハイトーンも使わないし、十分に合格点。他の楽器に関してはちょっとGtが雑な感じもしますけど、概ね合格。
さて、この系統のバンドに最も要求されるのは何と言ってもメロディですが、透明感溢れる叙情的なメロディはこの系統の中でもかなりいい線言ってると思います。フックも富んでるし、ハーモニーも申し分無し。ミドル系でも飽きないし、7〜9曲辺りにも良い物を持ってくる手際の良さもGOOD。
お気に入りは「IN ANGER」「MIDDAY MOON」「TO BE」の3曲。1曲目はほんわかと優しいメロディが心地良い疾走曲。2曲目はソナタの「FULLMOON」を連想させるアップテンポナンバー。そして最後はABメロがサビよりも素敵な爆走キラキラナンバー。
ソナタ程の衝撃は勿論無いんですが、この手の中ではかなりの逸材だと思います。次からはどんな音楽性で来るのか楽しみですね!

TOMORROW'S DAYLIGHT / 2009年 / 80点
4年ぶりの2枚目。
前作は透明感溢れるメロスピで、日本でもそこそこ話題になったように思います。それから4年経っての2枚目ですが、結構変わってますね。
まず、疾走感が落ちました。早い曲もありますし、全体的にはそこそこスピード感はあるんですが、前作ほどハッキリとツーバスドコドコな曲は無くなっています。そして、最大のポイントであるメロディですが、こちらも結構変わっており、メタルと言うよりちょっとロックっぽい感じになってます。コーラスなどを使って透明感は出ているんですが、前作のような星の瞬く夜空を想像させるようなメロディはかなり鳴りを潜めています。
個人的にはスピード感の減退はそれほど気にはならなかったんですが、メロディの変化はちょっと厳しいと感じました。ハッキリ言えば自分の好みではなかったし、ブリッジ部分(サビの前の部分)が中途半端で、サビの印象もイマイチなのが多めでした。
また、ヴォーカルが変わっており、BLACK STONE CHERRYのヴォーカルみたいな結構がなるタイプになっています。正直この声も北欧メタルにはちょっと合わないと感じました。あと、演奏がちょっと雑な感じが‥‥。雑と言うよりも、キチンとミキシングされていない感じかな。ギターの音はもっとキレイにした方が良いと思うし、ドラムの音も叩いたまんまという感じでちょっと迫力に欠けると思いました。
と、文句ばかり言ってしまいましたが、全然ダメダメかと言われるとそうでもなく、キラリと光る曲もありました。この「哀愁漂うロックっぽいメロディックメタル」路線も極めれば好きになる人もいると思うので、あとは鍛錬あるのみかなと(何を偉そうに‥)。
お気に入りは「Somehow」と「Broken Lifeline」。前者はサビがダンサンブルでユニークだと思った1曲。後者はサビメロが何となく「夕焼け小焼け」っぽく感じました。
前作と同じモノを期待するといかんですが、これはこれでまあまあ悪くないような気がするようなしないような(何なの?)作品でした(汗)。


CARMEN GRAY
(カルメン・グレイ)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥ゴシックロック

THE PORTRAIT OF CARMEN GRAY / 2007年作 / 73点
フィンランド出身のゴシックロックバンドの1枚目。「カルメン・グレイ」って人がいるわけじゃありません(笑)。
北欧らしい冷やかさを身にまとったメランコリックなロックをプレイしており、メンバーにイケメンが多い事なども合わせてNEGATIVEと同系列と言えるバンドだと思います。
ただ、(初期)NEGATIVE程哀愁・切なさばかりというわけでもなく、ロックンロールらしいパワフルさが出ている曲もあったり、なかなか一筋縄ではいかない新人です。
これを「色んな曲も出来る」ととる事も出来ますが、個人的にはどうも焦点が定まっていない気がしました。必殺のメロディがあるわけでもなく、早いわけでもない。決定打に欠けるように思いました。これと言って欠点もないだけに、より印象が弱いのも悲しきかな。
お気に入りは「LOOKING FOR LOVE」と「LYING WITH YOU」。前者はキャッチーな歌メロが秀逸なロックナンバー、後者はアコギが良い仕事をしているバラード。この2曲にはある共通点があります。それは間奏にDAREも真っ青の郷愁Keyがある事。そこだけが本当、信じられないくらいに素晴らしい!
まだ若そうなので、これからに期待です。

WELCOME TO GRAYLAND / 2008年作 / 73点
2枚目。
基本的には前作と変わっておりません。メランコリックなロックを変わらずプレイしております。違いと言えば、前作よりも音がダイナミックになっており、哀愁を押し出した曲とロックを押し出した曲とに大きな差が出来た、と言った所でしょうか?
この2極化はNEGTIVEの2枚目「SWEET & DECEITFUL」にも通じており、このアルバムにもそのアルバムと同じ指摘ができます。
それは「哀愁が売りのバンドなのにロックを打ち出してどうする?」という事です。
お気に入りの数で言えば圧倒的に哀愁系の曲で、ロック系の曲も悪いわけではありませんが、もっとカッコイイロックをやっているバンドが山ほどいる昨今、あまり響かなかったというのが本音です。
また、哀愁系も前作ほど胸を締め付けられるほどには至らず、何だか全体的に焦点が定まっていないように感じました。NEGATIVEと点数が大きく違うのは、胸の締め付け具合です(汗)。
お気に入りは「At The End Of The Rainbow」。これは良いです。サビで一気に爆発する木枯らしメロディはずっと聴いていたくなるレベルです。
NEGSTIVEはその後ロック色を強くしていきましたが、何となくこのバンドも同じ路線に走りそうな気がします。はてさて、どうなる事やら。


CATAMENIA
(カタメニア)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥ブラックメタル

CHAOS BORN / 2003年作 / 80点 
フィンランド産狼ブラックメタルバンドの5枚目。「狼」なのは、ジャケに格好良い狼が載っているから(笑)。
シンフォニックな味付けをたっぷり施した超メロディアスなブラックメタルです。ブラストをバンバン入れながらも、フィンランドらしい悲哀に満ちたツインGtとKeyを終始撒き散らす非常に聞きやすい様子は、かのDISSECTIONを彷彿とさせますが、こちらの方が整合性がとれており、暴虐性、禍々しさは希薄です(メンバーも普通の顔してるし)。
場面によってはメロデス的なアプローチをしている所もあり、ブラックメタルアルバムの中でも特に初心者にもお勧め出来そうな堅実かつ安心出来る内容です。音質が惜しい出来なので(特にDr)そこを改善してほしいですが。
お気に入りは「Kuolon Tanssi」。一発目。サビの時にバックで流れるKeyが寒々しさを演出していて、思わず身震いしちゃいます。 

WINTERNIGHT TRAGEDIES / 2005年作 / 88点 
6枚目。
前作に比べると音質がかなり改善されており、メジャー感が出てきました。
ただ、その代わり前に比べると繊細で荒涼としたクサメロディが若干薄れていて、パワフルな側面が出てきてたように思います。Gtソロや雄々しいコーラスが取り入れられているからでしょうか。
クサいメロディを愛する人にとっては低評価かもしれませんが、私はNAGLFARやDIMMU BORGIRら一級品バンドに近づいている感じがします。要は「垢抜けてきている」という事です(本作で日本デビューもしましたしね)。
クサメロって即効性はあるんですけど、長く聞いてると飽きちゃうんですよね〜。それに比べるとやっぱりメジャーバンドのメロディって長く聞けるから不思議です。
お気に入りは「Fuel For Hatred」。本作で一番Gtリフがカッコ良い曲。こういうのも出来るんですね〜(ってこれはカヴァーらしいです)。

LOCATION:COLD / 2006年作 / 90点
7枚目。
前作から一気に垢抜けた感がありましたが、本作は更にメジャークラスの音質とクオリティを誇っております。ジャケットも超カッコ良いし、メロディも過去最高と呼べる程で北欧ならでは哀切極まる楽曲の数々には脱帽です。あくまで自分達のスタイルを固持しながらここまでレベルアップ出来るバンドは稀だと思います。
これまでの彼らの中でも間違いなく最高傑作であろう「Gallery Of Fear」、しつこい程繰り返されるメロディがたまらない「Coldbound」、ノーマルVoでのサビがキマッてる「Location: Cold」など、どれも眉唾物の出来栄え。
ここまで充実したメロディが満載なら、メロデスだろうがブラックメタルだろうが関係ありません。北欧メロディを愛する者なら是非聞いてほしいです。
お気に入りは上記3曲。他の曲も良いですよ!

VIII: THE TIME UNCHAINED / 2008年作 / 80点
8枚目。荒涼としたジャケットが大好きだったのですが、本作のジャケットは随分とすっきりしてしまいました。これはこれでカッコ良いと思いますけど。
その「ジャケットの変化」は音楽性にも反映されており、何と言っても彼らのトレードマークとも言えたKeyが本作ではまったく登場しません。Gtメインのメロブラになっており、前述した「荒涼」とした雰囲気は残念ながら得られませんでした。
「非常にメロディアスなブラックメタル」という点は変わっていませんが、正直本作はイマイチな出来栄えです。「One With Sorrow」や「Gallery Of Fear」のような強烈な1曲が無く、大体どれも「ひたすらブラストで突き進む」ような曲ばかりで、リフも似たり寄ったりなので印象は薄かったです。やっぱりKeyは欲しかったなぁ。
お気に入りは「Embody and Behold」。一番メロディが際立っていた1曲。これでも過去の名曲に比べると地味ですけど。
どうやらまた国内盤が出なくなってしまったっぽく、確かに本作の出来はイマイチですが、好きなバンドではあるので、これからも追いかけようとは思います。

CAVALCADE / 2010年作 / 75点
9枚目。
ついにジャケットに狼が描かれなくなってしまいましたが、ここに来て音楽性も様変わりしました。一言で言うと「メロブラではなく、普通のメロデスになってしまった」という事です。
激減したブラストや邪悪さ(元々そんなに強くはなかったですけど)、大幅なクリーンVoの導入など、これまでのどのアルバムとも「毛色」が異なっており、正直に言うとちょっと残念でした。
前作同様Keyは一切使われておらず、私が彼らに最も求めていた「邪悪で寒々しい雰囲気」はもうほとんどありません。メロデスではこの雰囲気を表現するのは難しく、メロディアスなブラックメタルだけがそれを可能にしていると思っているだけに、それをしなくなった彼らにちょい失望です‥‥。
メロデスとして聞いても決して悪い作品ではありませんが、あえて彼らがそれをやる必要は無いんじゃないかな、と思います。
お気に入りは「Cavalcade」。ミドルテンポのナンバーですが、最も邪悪な気配を感じるナンバーでした。
う〜ん、何だか私の好みからどんどん遠ざかっている気がします。9枚もアルバムを出しておきながら、いまだにメンバーも固定しないし、次はどんな作品になるんでしょうか‥‥。


CATHARSIS
(カタルシス)
出身地‥‥ロシア
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

DEA&FEBRIS EROTICA / 1999&2001年作 / 80点
ロシア出身のメロパワバンドの1枚目と2枚目をドッキングさせたお得盤。何故か2→1という曲順。↑は画像が見つからなかったので、2枚載せました。
その音楽性はKeyをたっぷりとまぶしたメロパワ。疾走感はそれほどありませんし、芋臭さもまだまだ残ってはいますが、とにかくそのメロディはクサい(クラシカル)の一言。
歌付きはロシア語なまりの英語(かどうかもよく分かりません;; ライナーはとりあえず英語で書いてあるけど)。ですが、まあ、そんなにうまくはないです。
んで、このバンドの真骨頂は歌つきではありません。半分以上を占めているインストにあると断言できるでしょう。ハープシコード、ピアノ、シンセなど、様々に音色を変えるキーボードがメインのインストナンバーはとにかくキラキラ。それと同時にギターがクラシカルな音色を絶えず弾いているのも非常に心地良い。メロパワなんて言いましたが、ネオクラと言ってもいいかもしれません。
お気に入りは「A TRIP INTO ELYSIVM」。クラシカルなギター&キーボードが静かに乱舞するインストです。味わい深い1曲です。まだまだメジャー受けはしないだろうけど、これからもマニアを楽しませてほしいですね。

IMAGO / 2002年作 / 83点
3枚目。おおっ! 化けた化けた! 表紙の幻想さとエロさは化けてない(笑)。
音楽性は前と変わらずネオクラシカルな雰囲気を持ったロシアンメロパワなんですが、インストがググッと減り(2曲のみ)、より普遍的な疾走感のある曲が並ぶようになりました。楽器の芋っぽさも随分と抜けたし、ヴォーカルも良くなりました。英語の発音がいまいちな気もしますけど、かなり一般のメタラーにも受け入れられるようになったんじゃないでしょうか?
とにかくインストが減ったので、普通に聞く事が出来、どれも一定以上のレベルはクリアしています。
ロシア独特のクサメロも健在で、これがまた何とも言えない不思議な気持ちにさせてくれます。これは言葉にはしづらいので、聞いて理解して下さいな。
お気に入りは「HEART OF THE WORLD」。民謡のようなリズムが最高。ついでにKeyも最高な曲っす。
素晴らしい進化ですね! ネオクラ度は減りましたが、私はこっちの方がうんと気に入りましたよ。辺境だろうが何だろうが良いメロディが好きな人は是非どうぞ。ちなみに英語盤とロシア語盤があり、私は英語盤を持っています。


CELESTY
(セレスティ)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル

REIGN OF ELEMENT / 2002年作 / 78点
フィンランド出身のメロスピバンドの1枚目。
よりエピック性を強く打ち出したソナタ、と言えるような音楽をやってます。疾走感は抜群、Voがかなりヘチョイですが、ファンファーレのような独特のKeyにはセンスを感じますね。
疾走感もあるし、Keyのセンスには非凡なモノを感じるって、ついさっき言った事を繰り返してしまいましたが、ぶっちゃけて言うと、それくらいしか褒められる所がありません。
メロディーは弱いし、他の楽器もそれほど凄いとは思えないし‥‥。一部で結構話題になってましたが、私はまだまだ修行が必要なレベルだと思いました。
お気に入りは特に無し。通して聞くとどれがどれだか分からないよ〜。ソナタが好きなら聞いて損は無いかもしれないですが、個人的にはそんなにお勧めは出来ないかな〜とか思いました。

LEGACY OF HATE / 2004年作 / 83点
Voを変えての2枚目。
前のVoに比べるとしっかり歌えているし楽曲も疾走馬鹿ではなくなって、一曲一曲を丹念に作ったんだな、とか思いました。少なくとも前に比べるとかなりの成長が伺えます。
しかしそれでも個人的にはまだB級からは脱していないと思います。捨て曲も結構あったし、長めの曲なんかはやっぱり冗長に感じてしまいます。
お気に入りは「UNBREAKABLE」。イントロに続く2曲目。間奏での凄まじく高いハイトーンが好き。私が彼らに言える事は一言のみ。精進せよ!

MORTAL MIND CREATION / 2006年作 / 85点
またVoが変わった3枚目。1枚として同じVoがいないのはドリーム・テイルと同じやね。
それはいいとして、音楽性に結構な変化があります。一言で言うとへヴィ&ダーク路線になっており、場面によってはスラッシュか? と思う程ザクザクした所もあったりします。疾走度も前2作に比べるとやや控えめだし、長めの曲も無し。
しかし、肝となるメロディのキャッチーさに変わりは無いし(オリジナリティもちょっとは出てきたと思います)、Voも個人的には今までの中で一番いいのではないかと思います。ちなみに後半になればなるほど疾走感が増し、昔に戻っていくという構成はナイス!
ただ、3枚目でもまだドタバタした感があり、もっと硬質&タイトにすれば、ソナタの二歩手前までは行けそうな気がします。
お気に入りは「BACK IN TIME」と「ARRIVAL」。昔を思い出させる爆走曲です。新しい方向性も悪くはないですが、速攻性はやっぱりこっちの方が上です。まだB級のイメージは拭えませんが、出ればまた買うんだろうな、俺。

VENDETTA / 2009年 / 87点
4枚目。
ヘヴィ路線だった前作から大きく変わり、大仰なオーケストラを用いたド級シンフォニックメタルになっています。曲調としては1枚目の頃に戻った感じですが、あの頃とはシンフォニック度も、そして演奏レベルも段違いと言っても良いほどレベルアップしています。
とは言っても、肝心なのはやはりメロディです。メロディが良くなければ、どんな形になろうとも高評価は与えられません。で、これが実に良い(笑)。悪くはなかったけど、イマイチ煮え切らなかったこれまでのアルバムとは打って変わり、「クサい」と言っても良いほど抒情的なメロディがてんこ盛りで、それでいながら演奏レベルも十分A級と呼べるレベルに達しており、クサメロを愛するメタラーならほぼ間違いなく気に入ると思います。
気になった点は、オーケストラサウンドがややモヤッとした感じだった事。もうちょっとジャンジャン!みたいな“締めたサウンド”にした方がタイトになって聴きやすくなるんじゃないかと思いました。
お気に入りは「Like Warriors」。RHAPSODY OF FIREがやってもまったくおかしくないシンフォニックパワーメタルナンバーです。サビでの女性コーラスが美味しい「Feared By Dawn」も好き。
4枚目にしてついに化けた感があります。ぜひともこの路線を続けて行ってもらいたいですね。


CELLADOR
(セラドール)
出身地‥‥アメリカ
ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル

ENTER DECEPTION / 2006年作 / 80点
アメリカ出身の超ハイスピードメタルバンドの1枚目。
最近はアメリカ出身なのに抒情的なメロディで勝負してくるバンドが増えましたが彼らもその一派。DRAGON FORCEからの影響が見て取れるハイスピードメタルで、決してデスメタル系ではありません。
Keyが無い事、ドラフォに比べると男らしさが強い事から、BURNING IN HELLを髣髴とさせます。彼らが日本で成功しなかった理由として、早さにばかりこだわってメロディをおざなりにしてしまった事だと私個人は思っているんですが、対してこちらはメロディもしっかり印象的で、なかなかに良い出来だと思います。
ちなみに、よくよく聞くと、結構トーンダウンしてしっかりソロを聞かせようとする場面もあるので、ドラフォより聞き疲れはしないです。
音質がお世辞にも良いとは言えず、また演奏もまだまだ荒削りなので、その辺りが改善されていけば、もしかしたらドラフォ二世として注目されるかもしれませんね。とりあえず、そうなる可能性は秘めていると思います。あっ、でも、このVoのままだったら厳しいかも(汗)。
お気に入りは「Never Again」。比較的大人しめの曲ですが、メロディが結構印象的で良かったです。
いつかアメリカのビルボードがこんなバンドばっかになったら‥‥世も末ですな(笑)。


茅原実里
(ちはらみのり)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥エレクトロ・ポップ

Contact / 2007年作 / 85点
『涼宮ハルヒの憂鬱』などの人気アニメに出演している美人声優、茅原実里さんの1枚目のアルバム。アルファベットでは「Chihara」という事で「C」に入れております。
アニメでは萌え系の可愛いキャラを演じる事が多い彼女ですが、ミュージシャンとしてはほとんど別人で、癖の無い澄んだ歌声で過剰なまでにシンフォニックアレンジの加えられたポップスを披露しています。
声優ソングらしからぬ本格的なシンフォニックアレンジが施されたポップチューンの数々はエイベックスの女性歌手的ではありますが、どれも独特の煌びやかさと哀愁を持っており、生音でなければ聞かないという頑固一徹なメロディマニアでなければ比較的どれも楽しめると思います。
ただ、バラードになったりすると本当普通のバラードになってしまったりするので、全曲楽しめるかと言うと微妙な所ではありますが、他声優さんが緩めのポップスばかりである事を考えると、歌手活動をしている声優さんでは一番好きな人だと思います。
正直、茅原さん本人が凄いのではなく、作曲家達が凄いんですが、それを見事に歌いあげる彼女の非凡な歌唱力も非常に魅力的だと思います。私は萌え系を演じている彼女も好きですけど(笑)。
お気に入りは「mezzo forte」。ミドルナンバーですが煌びやかなシンフォニックアレンジと切なさ満載なサビメロがたまりません。
メロディマニアは聞いて損の無い作品だと思います。声優だからと言って敬遠するのは勿体ないですよ!

Parade / 2008年作 / 82点
 
2枚目。
前作に比べると若干ポップス色が濃くなっており、シンフォニックアレンジも若干ですが控え目になっています。
とは言っても、ポジティブで緩めなポップスを歌う事が多いアニメ声優さんの中では、異例とも言える程目立つシンフォニックアレンジと切ないメロディは以前健在であり、前作が好きだったら本作も外す事は無いと思います。
全体的な出来では前作の方が良いと思いますが、本作には圧倒的なキラーチューンがあります。それが「Paradise Lost -at next nest-」です。夢に出るくらいうなされた惨殺アニメ(笑)『喰霊-零-』のOPをアレンジした曲なんですが、これは文句無く名曲だと思います。まあ、アレンジしてないタイプの方が良いとは思いますが、そんなに変わってないのでこちらもGOODです。
他のお気に入りは「蒼い孤島」。まさに茅原さんならではの曲。ピアノの音色が凄く『東方Project』っぽい気がしました(分かる人少ないだろうな‥‥)。
男臭い私のipodには清涼剤になりますな(笑)。


CHILDREN OF BODOM
(チルドレン・オブ・ボドム)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・デスメタル

SOMETHING WILD / 1998年作 / 90点
フィンランド出身、今のメロデス四天王の1人。その中でも最強の呼び声高いのが彼らです。そんな彼らの一枚目。
泣きまくるツインGtに大仰なシンフォアレンジを施して見事に成功した初めてのパターンで、1枚目にして凄まじいテクニックを見せてくれます。
このバンドの凄い所はアグレッシブとメロディアスのどちらも殺す事無く突き抜けるメロ、そして、Gt兼Voのアレキシ・ライホと、Keyのヤンネ・ウィルマンのバトルです。かつてこれほどテクニカルに乱舞するGtとKeyは聞いた事がありませんでした(4thから聞いたけど)。格好良いメロデスなら間違いなく彼らです。
「Lake Bodom」と「The Nail」だけで昇天できる極上アルバムです。唯一の問題点は声に迫力が無い事くらいですかね?

HATEBREEDER / 1999年作 / 93点
2枚目。全ての面で格段にレベルアップ。メロデス史上にその名を刻む1枚となりました。
基本的な路線は前と変わっていませんが、とにかく全てがレベルアップし、達人級になりました。アレキシ、ヤンネのテクニカルバトルも耳から火が出る程に凄まじく、メロもより聞きやすいモノになってます。素晴らしい。
声は相変わらずですが、それを補ってオツリが来る程、他の部分が秀でています。
どの曲もいいんですが、強いて言うなら「Toward Dead End」と「Children of Bodom」の2曲。心臓が高鳴る程の高揚感に酔いしれるメロに昇天確実です。

FOLLOW THE REAPER / 2000年作 / 95点
はい、3枚目です。ちょっと音楽性が変わりました。
以前までは終始Gtが乱舞していましたが、今回はKeyが乱舞しています。あっ、ギターも勿論凄いよ。他のバンドじゃ絶対無理です。
今まではアレキシが全てでヒーローになっていましたが、今回はヤンネもかなり目立っています。
1曲目の「Follow the Reaper」からして、ヤンネが目立っています。サビの時に後ろで「ジャンジャン!」とやられると、「ああっ、俺チルボド聞いてる」って気分になってそのまま帰ってこれなくなります(笑)。
路線は変わらず、もう「チルボド節」は完成しています。「それ何?」という方は聞いてみてください。死ぬ程格好良い。それが答えです。聞けば分かります。
お勧めは「Follow the Reaper」と「Bodom After Midnight」の2曲。キーボードの音色がたまらなくいいです。ああっ、これで失禁確実だぁぁぁぁ。

HATE CREW DEATHROLL / 2003年作 / 96点
ちょっと間を置いて発売された4枚目。私が生まれて初めて買ったメロデス。これが無かったら、私はメロデスを聞いていなかったであろう1枚。全てにおいて最強だと言わざるをえません。
で、色んなバンドにパクられたからか、Keyが奥に引っ込み、Gtが前に出て、アグレッシブさが超レベルアップしました。ガリガリした音の洪水と共に押し寄せてくるメロの大群。格好良い‥‥。格好良過ぎる! もうこれ以上の言葉は見つからない! このバンド、どんな方向性になってもアレキシがいる限り最強っすよ。
声もレベルアップし、デス声なのに「歌う」という技も披露してます。(ちなみに普通に歌うとヘタです、アレキシは)メロ、アグレッシブさ、スピード、どれをとってもヘヴィ・メタルの全てを備えた最強の1枚。
お気に入りは「NEEDLED 24/7」と「LIL BLOODRED RIDIN HOOD」の2曲。後者は間奏のキーボードが史上最強の格好良さを誇っています。名盤です!

ARE YOU DEAD YET? / 2005年作 / 90点
私がメロデス童貞を捨てた前作から約3年。やっと出ました5枚目です。
音楽性は前の延長線上にありながら、確実に方向転換してきていると分かる感じです。一言で言えばネオクラシカルなメロディとシンプルなスピード感が激減し、よりアグレッション、モダンを重視する方向性に変わりました。
イン・フレイムス、ソイル・ワークとベクトル的には同じ方向ですね。これをOK出来るか否かで本作の評価はまったく変わると思います。
私はというと‥‥悪くはないと思います。この飢えた狼のような突進力、スラッシュと言ってもいいかもしれないギターリフはとにかく格好良い。アレキシの声もしっかりしてるし、相変わらずのギター&Kerのバトルもあります。だから、進化は進化でおおいに認めたい。
ただ! やっぱり前までのクラシカルなメロディが減った事は残念でならない。激しさ、鋭さはあっても「美しさ」はもうあまり無いと思います。だから、激しさと美しさが絶妙なバランスで保たれていた前作の方が好きです。
でも、デス童貞を捨てさせてくれたバンドなんで今後も応援はしていきたいと思います。お気に入りはシングルにもなった「TRASHED.LOST&STRNGOUT」。サビが格好良いです。
うーん、異様に早い時代の流れを感じる1枚ですね。でも、メタラーは必聴な事に変わりはないです。
 
BLOODDRUNK / 2008年作 / 78点
3年の月日を費やして出た通産6枚目です。
まさかチルボドにこんな点をつける日が来るとは思いませんでした‥‥。アメリカを意識したモダンな前作を反省したのか、テクニカルな面を取り戻し、4枚目と5枚目の中間に位置するような作品になっています。
この方向性自体は全然良いと思います。パワーそのものは過去最高だし、テクニックも申し分無し。アレキシの声もどんどん逞しくなってるし、今回はヤンネのKeyの出番も格段に増えてます。
しかし‥‥これがどうにもこうにもつまらない! 理由は単純明快で、メロディがつまらないんです。
もう少し細かく解説するなら、今までならメロディアスなソロを聞かせる部分がグルーヴィーなスローパートに変わっており、悶絶出来る場所が減ってるんです。またプログレッシブと言ってもいい程に場面展開が急で、サビまでが長い。んでもってそのサビが短い。
よって「Needled 24/7」や「Trashed, Lost & Strungout」みたいなストレートにカッコイイ曲が無く、最後まで輪郭がぼやけたままで終わってしまうんです。うーん、アレキシの才能に私がついていけないだけですかね?
お気に入りは「Tie My Rope」。このアルバムの中では一番分かりやすいかと思います。それでも、彼らの中では中の中くらいの出来だと思いますけど。これからどうなるのか、不安です。

RELENTLESS RECKLESS FOREVER / 2011年作 / 80点
7枚目。
前作にも多少の「立ち返り」が見て取れましたが、本作は更に、そして明らかにメロディに「昔に戻ろう」という気概が見て取れました。相変わらず完全に戻ってはいませんが、私には「自分達の原点」と「売れる方向性」を更に狙いすましたな、という風に感じられました。
アレキシの流麗なソロ、ヤンネのキラキラKeyも随所というか至る所で鳴り響いており、更に時折ググッと来るような印象的なフレーズもあり、「メロディがつまらない」という文句は本作では出てきませんでした。
とは言え「Pussyfoot Miss Suicide」のように終始モダンな雰囲気で猪突猛進する曲も何曲かはあったりはするので「HATE CREW DEATHROLL」を最高傑作だと思っている私には(たぶん多くの日本人がそうだとは思いますが)全部が全部手放しで喜べる曲ではなかったのも事実ですが。
でも何だかんだ言ってやっぱりクオリティはメチャクチャ高いですし、他のメロデスバンドよりも安心して聞けるバンド、としてアルバムである事に変わりはないんですけどね。
お気に入りは「Cry Of The Nihilist」。リフがカッコイイ1曲です。
前作はアメリカビルボードで22位まで行きましたが、本作はそれを越せるのか、気になりますね。

HALO OF BLOOD / 2013年作 / 80点
8枚目。
ふむ‥‥評価が難しいアルバムですね。前作以上に原点回帰を狙っており、全編に渡ってアレキシのGtとヤンネのKeyが炸裂しまくっています。勢いもあるし、メロディも過去を意識してるんだろうなと思わせます。
最初に聞いた時は全編に漲るパワーと猛烈なGtソロの応酬に圧倒され「おおっ、遂にチルボドが戻ってきたか!」と嬉しくなりました。が、よくよくシッカリ聞いてみると何か違和感を感じるんです。「んっ? ‥‥何か昔ほど興奮しないぞ」と。確かに弾きまくってるし、メロディも満載です。でも、神かがっていた「HATE CREW DEATHROLL」(もっと言えば1〜3枚目)には遠く及ばないのです。その理由を書きたいと思います。
@ネオクラシカルには戻っていない
確かにメロディアスなリフがいっぱいあります。でも、その「質」が初期のネオクラシカルではないんですよね。「HATE CREW DEATHROLL」もネオクラシカルとは言えないメロディが多かったですが、ネオクラから進化したメロディだったから良かった。本作はアメリカン(メタルコア的なメロディ)から戻ってきたからどうも中途半端な感じがするんですよね。
A似たような曲が極めて多い
これはアルバム1枚を通して聞けば誰もが分かるかと思います。リズムも展開も似たような曲が極めて多い。どれがどの曲か、すぐに判断するの難しいとすら思いました。
と、以上が私の意見です。原点回帰を狙ったはいいものの、一度向かったアメリカ志向のメロディが中途半端に残ってしまい、結果も中途半端になってしまったと思います。まあ、ぶっちゃけここ最近のアルバムは全部ぞうだし、「HATE CREW DEATHROLL」みたいなアルバムを狙って作れるわけがないんだよな。
お気に入りは「HALO OF BLOOD」。ブラックメタルのようなトレモロとブラストが炸裂するタイトルナンバー。こういう曲を入れた辺り、もうアメリカは狙ってないんだろうな、と思ってみたり。

I WORSHIP CHAOS / 2015年作 / 80点
9枚目。
6枚目以降、あまり話題にならなくなってしまいましたが、前作はそこそこ注目されたかな、と思います。それは「原点回帰」と本人達が言っていたように、往年のネオクラシカル風味が(それなりに)戻っていたから。
で、その次である本作はどうかと言うと、前年ながらまたモダンになってしまった感があります。勢いはあるし、テクニックも申し分無しでカッコイイはカッコイイんだけど、やっぱりネオクラメロディは欲しいかなって思います。
あとは個人的な意見ですが「キレが無い」と思います。演奏が拙いと言っているわけではなく、ただ楽譜通りに音を垂れ流してるだけみたいな感じがするんですよね。こう‥言葉では説明しにくいんですが、このアルバムが稽古だとしたら、昔のアルバムが本物の殺し合いみたいな、そういう「激烈な火花みたいな何か」がこのアルバムには無いと思いました。
お気に入りは「Morrigan」。ミドルナンバーですが、サビのメロディがコッテコテのメロデスって感じで気に入りました。彼らのフォロワーとかがやりそうな感じです(やや皮肉入り)。


CHTHONIC
(ソニック)
出身地‥‥台湾
ジャンル‥‥シンフォニック・ブラックメタル

MIRROR OF RETRIBUTION / 2009年作 / 84点
台湾出身のシンフォニックブラックメタルバンドの5枚目にして、ワールドワイドデビュー作。
暗黒コスプレもばっちり決まっている若者達らが奏でているのは、CRADLE OF FILTHをお手本にしているであろう非常に分かりやすいシンフォニック・ブラックメタル。暴虐的なVo、トレモロリフから官能的なソロまでこなすGt、ブラストもバンバンぶち込むDr、スケールを広げるKeyなど、メンバーの技量は非常に高く、本家と比べても決して聞き劣りしません。
楽曲もインストナンバーを除いて全てがアグレッシブナンバーで占められており、(スタイルはどれもまったく一緒ですが)どの曲にも印象的なリフやメロディがあります。
他のバンドには無い特徴として二胡(にこ)と呼ばれる東洋のヴァイオリンが効果的に使われている事で、この楽器によって紡がれる物悲しいメロディは東洋系の歴史映画を思わせます。
ただ、サウンドが「軽い」のが非常に残念で、紅一点ドリス・イエ嬢のベースもあまり聞こえません。ここが改善され、DIMMU BORGIR並みの重量感を得たらもっともっと知名度を上げられるんじゃないかと思います。
お気に入りは「Sing-Ling Temple」。二胡という楽器が最も効果的に使われている曲だと思います。
アジアのバンドというハンデ(?)をもろともしないハイクオリティブラックを聞きたい方は是非どうぞ。

TAKASAGO ARMY / 2011年作 / 87点
6枚目。
タイトルの「TAKASAGO ARMY」とは太平洋戦争末期、日本統治下の台湾において先住民族達によって編成された「高砂義勇隊」の事(一応日本軍という事らしいです)。何やら物騒なテーマではありますが「反日」の意図は無いそうです。
方向性としては前作と同じ、CRADLE OF FILTHにアジアンなテイストを取り入れた聞き易いブラックメタルです。前作でも十分世界レベルの作品でしたが、プロダクションも演奏も更に一段階レベルアップした感があります。
ちょっとクサさは減退してしまったような気がしないでもないですが、アジアンな楽器とメタル楽器とのバランスも良く、こちらの方が聞いていて素直にカッコ良いと思いました。今回はドリス嬢(Ba)のベースの音もしっかり聞こえますしね。
お気に入りは「Takao」。アグレッシブなパートと、物悲しいメロディが溢れるパートの対比が聞いてて面白かったです。
完成度は過去最高だと思います。これで世界に認められなかったら、これはもうアジア差別だね!

BU-TIK / 2013年 / 85点
7枚目。
前作ほどの「奥深さ」は無いものの、全体的にスピーディーで分かりやすい作風になっています。ブラックというよりメロデスに近い感じ。彼らに限らず、ブラックメタルバンドって曲の途中で急に曲調が変わる事が多く、個人的にはちょっとそういうプログレッシブな展開は好きじゃなかったりします。本作はそこが比較的ストレートになっていて、とても聞きやすい。そこはおおいに評価できる所だと思います。
このバンドはとかく紅一点のドリス(Ba)が注目を浴びがちですが、音楽面のみで言うとジェシー(Gt)の貢献度が非常に高いと思います。何だかんだ言ってギターメインのブラックメタルですし、本作は特にGtソロが多く、これがまたカッコイイ。ここも「分かりやすさ」に拍車をかけていると思います。
お気に入りは「Next Republic」。非常にストレートでメロディも分かりやすい良曲です。

TIMELESS SENTENCE / 2015年 / 60点
これまでの曲をアコースティックのみで演奏した企画アルバム。
歌も全てノーマルVoで歌われており、パッと聞いた感じ、オリジナルがブラックメタルナンバーとは思えないようなおおらかな出来栄えになっています。名曲である「TAKAO」や「Next Republic」、「Broken Jade」も収録されていますが、「これ、こんな曲だったっけ?」と言っちゃう感じですw
彼らのファンならば聞いて損は無いかもしれませんが、ファンアイテム以上の価値は正直無いかなと思います。Voも元はデスVoなのであまり気になりませんでしたが、ノーマルで歌われるとハッキリと英語ではないのが分かるので、ちょっとシックリ来なかったり‥‥。
お気に入りは特に無し。
もう一度言いますが、彼らの大ファン以外は購入はよく考えた方が良いと思います。


CIRCUS MAXIMUS
(サーカス・マキシマス)
出身地‥‥ノルウェー
ジャンル‥‥プログレッシブ・メタル

THE 1st CHAPTER / 2005年作 / 80点
ノルウェーのプログレバンドの1枚目。
日本デビューは2枚目からで、私もその2枚から知ったクチですが、その後1枚目も日本で発売される事になり、こうしてレビューします。あくまで「2枚目を聞いた後の」レビューとなりますので、お気を付け下さい。
基本的な路線は2枚目と変わっていませんが、この頃はまだDREAM THEATERやSYMPHONY Xの影響がはっきりと分かるような曲が多く、明確なオリジナリティは確立されていません。とは言え、技術は既に非常に高く、バンドのテーマと言える「プログレだけどしっかりメロディアスで聞ける」というもの、既に確立されています。
2枚目に比べると垢抜けていない感じもありますが、1枚目からデビューしてもおかしくない程のレベルはあり、2枚目が気に入った方なら本作も十分にイケると思います。
お気に入りは「Glory of the Empire」。モロSYMPHONY Xなバラード。しかし、私はSYMPHONY Xのバラードは超好きなので、こっちも真似だろうが何だろうが大好きです(笑)。
残念ながら、世間が言うほど凄いとは私は思えないのですが、質が高い事だけは間違いなく言えます。

ISOLATE / 2007年作 / 87点
ノルウェー出身のプログレバンドの2枚目にして日本デビュー作。
Voのスタイル、複雑な展開、超絶技巧の炸裂など、初期DREAM THEATERのフォロワーなんですが、そんな中でも特に世間の評判が良い彼ら。その理由は何と言っても歌メロにあります。
とにかく印象に残る叙情的な歌メロが満載で、プログレッシブ系のメタルバンドでここまで歌メロに気合を入れたバンドは早々無いと思います。ジェイムズ・ラブリエ似のマイルドな歌い方も、幻想的な雰囲気を盛り上げてくれます。
個人的に複雑な展開ってのは苦手で、このバンドにもそういった側面は大いにあるんですが、前述した素晴らしい歌メロのお陰で最後まで一気に聞けてしまいます。これって冷静に考えると凄い事やね(笑)。
ただ、その歌メロは所謂メロスピ的なメロディではなく、プログレとしてのメロディなので(これ、言葉じゃ説明しにくい‥)、SONATA ARCTICAみたいなのを期待するとコケるかもしれませんけどね。
お気に入りは「ABYSS」。本作中、最も素晴らしいメロディを持つ名曲。うん、これはエンドレスリピート決定やね。もしも次でSONATAみたいなタイプのメロディを持ってこられたら、悶絶死は確実でしょう。持ってこないと思うけど。

NINE / 2012年作 / 60点
約5年ぶりの3枚目。
2枚目が日本で評判を呼んだ彼らですが、本作は‥‥良くない。全然良くないよ、これ!
まず感じたのが「暗い」という事。全体的にヘヴィで暗い。でメロディも暗いので全体的にやっぱり暗い。前作は明るさを感じる曲が結構あったので、この変化には驚きました。
更に言ってしまうとメロディもかなり地味になっていると思いました。ぶっちゃけ「聞かせる事」を意識しているとすら感じませんでした。ひたすら内省的でオナニー的な‥‥つまり「良くないプログレメタル」になってしまったわけです。
他レビューを見るとスルメ的な事(つまり何度も聞かないと味が出ない)を言ってるサイトが多かったように感じます。そうかは分かりませんが、少なくとも一回だけではまずその良さは分からないとは思いますね。
お気に入りはズバリ無し! 本当、無かったです。LIVE音源が2曲ありましたが、やたら音質悪かったしな‥‥。
う〜む、一発屋なのか‥‥。次回作を聞いてそれが分かるかなと思いますね。


CIRCLE II CIRCLE
(サークル トゥー サークル)
出身地‥‥アメリカ
ジャンル‥‥正統派へヴィメタル

BURDEN OF TRUTH / 2006年作 / 66点
ドラマチックなメタルを演奏するバンドSAVATAGEの元シンガーを擁する正統派へヴィメタルバンドの3枚目。
私はSAVATAGEを少ししか聞いた事がないので、純粋にこのアルバムの評価をします。で、Keyやアコギもしっかりと取り入れた正統派なへヴィメタルをやっております。
演奏技術は申し分無いし、Voの声もしっかり出ております。Gtソロなんかも情熱的で良かったんですが、曲そのものが非常につまらないというのがとにかく辛すぎます。

まず、どの曲もリズムが一緒です。疾走も無いし、ファストなナンバーも無い。バラードとミドルだけで構成されており、これがまず頂けない。そして何と言ってもフックの無い歌メロです。「えっ? そこサビのつもりなの?」という程どの曲も味気無く、別の事をしていると何一つ記憶に残りません。時々ピアノの紡ぐメロディが良いと思ったくらいです。
お気に入りは「Into The Wind <Acoustic Ver.>」です。アコギバージョンって事はどこかにロックバージョンとかあるんでしょうか? それも聞いたみたいですね。


CLOCKWISE
(クロックワイズ)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥メロデイアス・ハード

NOSTALGIA / 1997年作 / 75点
北欧メタルの王者と呼ばれている(?)、FORTUNEのVo・ベニー・スドベリのソロ・プロジェクトの1枚目。
私はFORTUNEを聞いた事が無いので比べようが無いんですが、本作は北欧らしい透明感溢れる美旋律メロハーです。系統的には初期のTNTとか、BISCAYAとかだと思います。
Keyをふんだんに用いた切なさと哀愁が交錯するミドルテンポの楽曲は、切れ味こそ無いですが(必要無いか)、どれも胸を掻き毟られる事間違いなし!
特に透き通るようなVoが非常に良い。Gtなどもネオクラシカルなメロディを紡いでいて、聞いてて気持ち良い。また、後半になっても曲のクオリティが落ちないので、中盤以降でもダレる事無く聞き通せるのもいいですね。
お気に入りは「Traveler」。サビが素晴らしく美しいです!
実はジャケがあまりにも綺麗なので無知で買ってみたんですが、これは成功だと思います。ちなみに値引きで400円くらいで買えたので、美旋律が好きという方はとりあえず聞いてみてはどうでしょう?


COLDSEED
(コールドシード)
出身地‥‥多国籍
ジャンル‥‥へヴィロック

COMPLETION MAKES THE TRAGEDY / 2006年作 / 70点
元BLIND GUARDIANのトーマス・スタッシュ(Dr)とSOIL WORKのビョーン・ストリッド(Vo)がタッグを組んだプロジェクトバンドの1枚目。このジャケ、最高っす。
「この2人が組んだらどんな音楽になるんだろう‥‥」と聞く前はドキドキしてましたが、聞いてビックリ。ジャーマンでもメロデスでもなく、RAMMSTEINのような無機質でメカニカルなへヴィロックを演奏してました。
ミドルテンポのナンバー、無感情にザクザク刻まれるGt、空間を狭くするコンピュータチックなKey、そこにやや抑えめに吠えるビョーン‥‥と、とにかく彼らのバイオグラフィから想像も出来ない音楽です。
で、これがあまり良くありません。本人達は「RAMMSTEINとALICE IN CHAINSの中間」という目的だったらしいですが、一体誰が彼らにそんな音楽を求めているのか、私には分かりません。狙い通りの音楽にはなっていると思いますが、少なくとも上記2バンドを越える程の何かがあるようには思えませんでした。要は面白さが無いんです。リズムもGtもメロディも平坦で全然燃えません。
お気に入りは「Five More To Fix」。本作中一番の疾走曲。サビのメロディがALICEっぽいですな。2枚目が出るのか、あまり気になりません。


CONCEPT
(コンセプト)
出身地‥‥イタリア
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

THE DIVINE CAGE / 2005年作 / 80点
イタリア出身のプログレ・メロパワバンドの2枚目。
イタリアらしい繊細なメロディーを爆走しながら奏でつつ、奇妙な展開を見せるという、ある意味画期的な音楽をやっています。ドリーム・シアターのようにへヴィではなく、あくまでクラシカルなメロディーを保ちつつ、パッパッと展開するというスタイルで、複雑とは言っても決して「難解」ではありません。数回聞けば案外覚えられます。
楽器は問題無し。Voはかなり線が細く頼りないんですが、まあ歌えてはいるのでOKでしょう。
あと、疾走率が結構高いのも高ポイント。展開が変でも基本的に早いので、ダレないんですよね。まあ、だからと言ってストレートなメロパワより好きかと言われるとそんな事は全然無いですが、こういうのもたまにはいいんじゃないの?
お気に入りは「FAITHLESS TRUTH」。急展開があっても、全部疾走というお得なナンバーです。ちと風変わりなバンドですが、これからも応援したくなっちゃいます。


CONCERTO MOON
(コンチェルト・ムーン)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル

GATE OF TRIUMPH / 2001年作 / 80点
アークストームと共に日本のネオクラを支えるバンドの通算4枚目。
島紀史さんという激ウマ(イングヴェイ崇拝者)ギタリストさんがリーダーをやっています。
で、最初のイントロが終わって次にいきなりGt弾きまくりのインスト! このバンドが如何にギター前面バンドか分かります(11曲中5曲がインストです)。
私はイングヴェイのフォロワーだろうが何だろうが、カッコ良いフレーズ弾いてくれれば、それで満足なんで、余計な事は言いません。
で、すげーカッコ良いと思いますよ、このギター。ストームウィンドに似てると思いましたが、ネオクラフレーズに関して言えばこっちの方が2枚くらい上だと思います。早い曲が多いってのも好印象。
で、その後はインストを挟みつつ歌つきが入ります。歌つきも総じて早めの曲が多いし、Voも渋めの声でいいし、時々キラキラッと装飾するKeyもいい味だしてます。
ただ、ちょっと難癖言うと、歌つきはそんなに良くないですね;; もう少し歌メロにも気を使ってほしいな、と思いました。
お気に入りは「TO DIE FOR」。インストです。歌つきより徹底してクラシカルフレーヴァーを撒き散らしてくれるし、ひたすら疾走してるんで好きです。何かソロ・プロジェクトみたいですけど、歌メロをもっとクサくしてくれれば、もっと好きになっちゃうな。

LIFE ON THE WIRE / 2003年作 / 81点
Voを井上に変えてからは3枚目(ベスト含む)の通産5枚目。
前(ベストを除く)はインストが多かったので、あまりVo曲が目立ってなかったですが、今回は一転して徹底してVoメインな感じが伺えます。島のGtも若干抑え目になってるし、より「バンド」としての意気込みを感じますね。
ただ、歌メロのセンスは相変わらず微妙。もっとコーラスとかを使ってもいいと思うし、やっぱりABメロとそれほど大きな差が無く感じるのは良くないと思います。
それと、個人的にはVoの井上さんの声がどーも好きになれない。上手いんですけど、抑揚に欠けて、曲を冗長にしている感じがするんですよね‥‥。
お気に入りは「GLORIOUS DEATH」。Keyがメインという珍しい曲。しかし、最もうまい盛り上げ方をしている曲だと思います。別に国産とかんな事は気にしてないですけど、もっと歌を頑張ってほしいっす!

AFTER THE DOUBLE CROSS / 2004年作 / 84点
6枚目。島さん本人が「今までの中で最もよく切れる刀を作った」と豪語したアルバム。
おおっ! いいじゃないですか。音、アグレッション、ネオクラ、歌メロ、疾走感、全ての面において、今まで聞いてきた中でも最高の出来栄えだと思います。
前はVoを大事にしてた故に他の楽器が地味な印象を受けましたが、今回は島のGtも冴え渡ってるし、疾走感もあるし、Keyも大仰に響いてるし、何と言っても歌メロがかなりよくなっているのが嬉しい。井上さんのVoに「キレ」があれば、もっと点数高かったのになぁ。でも、前よりはいいですよ。
お気に入りは「WAITINIG FOR A MIRACLE」。怒涛の疾走感と心地良い歌メロが合わさった名曲だと思います。ライナーでは「CONCERTO MOON」が凄いとか言ってましたが、個人的にはこっちの方が気に入りました。ふむ。非常に良い出来だったと思います。今後も頑張れ!


CORNER STONE
(コーナーストーン)
出身地‥‥デンマーク
ジャンル‥‥メロディアスハード

ARRIVAL / 2000年作 / 80点
ROYAL HUNTのBa・スティーン・モーゲンセンがリーダーを務めるメロハーバンドの1枚目。
Voは過去にRAINBOWにも在籍していたドゥギー・ホワイト。パワフルながら繊細な歌唱もこなす彼によって紡がれる音楽は綺麗なKeyをたっぷりと取り入れたメロディアスハード。「ハード」とは書いてますが、実際はハードな面はほとんど無く、AORと言っても問題無いと思います。
アンドレ・アンダーソンなどが協力しているのでROYAL HUNTに似ている点もありますが(特にKeyがね)、あくまで歌がメインのしっとりとした雰囲気で、これがなかなかに悪くありません。幻想的ながら、さらりと心に染みるメロディアスなナンバーが目白押しです。
お気に入りは「JUNGLE」。本作でも一番ハードなナンバー。サビがカッコイイです。激しさはまったく無いので、「メタル」を求める人には物足りないかもしれませんが、メロディ派は聞いて損はしない作品だと思います。
 
HUMAN STAIN / 2002年作 / 70点
2枚目。
前作に比べ、ロックンロールな躍動感がちょっぴりアップしてます。その代わり、幻想的な雰囲気が激減しており、個人的に言うとこの変化は頂けません。
元々グルーヴィーなバンドではないので、多少色をつけた所で大して変わりありません。それなのに特徴であった北欧美旋律を無くしてしまってはねぇ‥‥? ROYAL HUNTっぽさもいよいよ無くなってきちゃったし、歌メロも地味なものばかり‥‥。
お気に入りは特に無し。次は元に戻ってほしいです。
  
ONCE UPON OUR YESTERDAYS / 2005年作 / 70点
3枚目。
基本路線は前作と変わらず。‥‥ってそのまんまなの!? 幻想的な雰囲気を取り戻してほしいって思っていたのになぁ。
前より更に逞しい音になったのは嬉しいけど、ぶっちゃけそっち方面で頑張って貰っても嬉しくありません。。歌メロの地味さも変わらずで、くしゃみしてる間にどの曲も終わってしまいます。せっかくのドゥギーが勿体無いような。
お気に入りは見つかりませんでした‥‥。


CRADLE OF FILTH
(クレイドル・オブ・フィルス)
出身地‥‥イギリス
ジャンル‥‥ブラックメタル

MIDIAN / 2000年作 / 90点
「汚物のゆりかご」という、私が赤子なら絶対に揺られたくないバンド名の4枚目。
ブラックメタルの暴虐性をエンターテイメントと言い切る絶叫Voダニ・フィルスのグロウル〜喚きまでを大々的に押し出したシンフォニックブラックメタルです。
ブラックらしい禍々しさも当然あるものの、その中に正統派の聞きやすさ、そして美しくリリカルなシンフォアレンジがある為、私はあまりきついとは思いませんでした。
ブラストもあまり多くはなく、基本はミドルです。その中で格好良く響くツインGtや壮麗なKeyは正直「これ、ブラックって言っていいの?」と思った程。ダニのVoこそ様々な面を見せ、時に「うきゃーー!」と強烈な声を出したりもしますが(にしても芸達者すぎる)、ナグルファーやディム・ボガーなんかを聞いた後だと非常に聞きやすいです。一言で言えば乱暴さが全然無いんですよね。音が丁寧に整ってるんです。
お気に入りは「AMORE MORTE」。どれも甲乙つけがたい出来ですが、あえて選ぶならこれかな。
この作品(というかこのバンド)には、ブラックメタル固有の「普通のメロスピにはない不穏さこその高揚感」が物凄く分かりやすい形で表現されていると思います。これがダメならブラックメタルはダメと言ってもいいかもしれません。

DAMNATION AND A DAY / 2003年作 / 85点
5枚目。
小曲などを合間に挟んだ合計17曲、77分間の特大ボリュームコンセプトアルバム。プロダクション、レベルは更に上がりました。
ダニ・フィルスの芸達者なVoは更に幅を広げ、Gtもエッジの効いた豪快な音に。Drもダイナミックになっており、深遠なる暗黒舞踏会はこれ以上無い程に荘厳。ディム・ボガーに比べると楽器そのものの音がクリアなのも好印象です。
ただ、その分キャッチーさにやや欠ける点があります。まあ、ブラックメタルにキャッチーさを求めるだけナンセンスだとも思うんですが、前作はそのキャッチーさが満載だったので、ちょっと残念です。
お気に入りは「HURT AND VIRTUE」。ちょっとメロパワっぽい曲です。

NYMPHETAMINE / 2004年作 / 82点
6枚目。
ここに来て、シンフォニックアレンジが大幅に後退。Gtなどを全面に押し出した形になっており、良い言い方をすれば「贅肉が落ちてメタル本来に姿に戻った」とも言えますが、私は「彼らなりのオリジナリティが減退し、よくあるブラックになってしまった」という感じがしました。
まあ、普通のブラックとして聞いても十分に格好良い作品だとは思うんですが(キャッチーさも幾分戻った気がするし)、クレイドルのアルバムは鬱陶しいくらいにコッテリした感じを期待していたので、ここまでスリムにならなくても‥‥と思いました。
お気に入りは「NEMESIS」。ブラックなのに7分越えの曲です。でも、不思議と聞けるから凄い。


CRAZY LIXX
(クレイジー・リックス)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥ロック

LOUD MINORITY / 2008年作 / 83点
スウェーデン出身の若手ロックバンドのデビュー作。
ライブなどで観客一体となって歌えそうなほどキャッチーなメロディ満載の80年代風アリーナロックをやっています。同郷の先輩HARDCORE SUPERSTARを髣髴とさせ、実際ギタリストを引き抜かれるという事態にこの後発展したりします(笑)。
まあ、それはいいとして、あまり小難しい事は考えずにブンブンと頭が振れそうなシンプルなロックナンバーの連続は実に気持ち良いです。楽器も特に凄いというわけではないですが、しっかりと演奏出来てます。フックも満載だし、コーラスも男臭くてカッコイイ、目指している音楽性をしっかりと見極め、そして忠実にやっているという印象を受けました。
ただ、BON JOVIの「Livin' On A Prayer」やWIG WAMの「In My Dream」、HARDCORE SUPERSTARの「Dreamin' In A Casket」のような一撃必殺の曲が無く、押し並べて平均的な事がちょっと引っかかりました。バラエティもお世辞も多彩とは言い難く、今後は如何に曲毎にカラーを変えるかが命題になると思います。
お気に入りは「Make Ends Meet」。本作中、一番哀愁を感じるナンバー。言い忘れてましたが、もっと哀愁があっても良いと思います。
何であれ、またしても有望な若手が現れたと思います。ロックアンセムを作る日も近いか?

NEW RELIGION / 2010年作 / 84点
2枚目。
基本路線はまったく変わっておらず、80年代の古き良きアリーナロックをやっています。
前作に比べるとサウンド(特にDr)がかなりレベルアップしており、絶頂期のAEROSMITHに近い感触だなと個人的には思いました。とは言っても陽気なアメリカンロックにまではなってなく、ヨーロッパのバンドらしい哀愁もちゃんと感じられます。これはNEGATIVEと同じ進化ですな。
相変わらず一撃必殺の曲はありませんでしたが、前半はどれもかなり良い出来のものが並んでおり、前作が気に入った人なら、本作も間違いなく好きになると思います。
‥‥なんか、当たり障りの無いレビューでごめんなさいね(汗)。
お気に入りは「21 'Til I Die」。気を衒(てら)わない展開とキャッチーなメロディが合致した文句無く「気持ち良くなれる1曲」。小難しい事なんてぶっ飛びそうな勢いもステキです。
順当な進化を遂げた2枚目と言えるでしょう。これからもこの路線でお願いします。


CRYHAVOC
(クライハボック)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・デスメタル

SWEETBRIERS / 1998年作 / 70点
イン・フレイムス直系のメロデスバンドの1枚目。ジャケットはメタル史上燦然と輝くエロさを誇っております。
「コロニー」の頃のイン・フレイムス直系のメロデスをやっております。Keyを使わず、ひたすらツインGtでの叙情メロで攻めるタイプです。これがかなりクサい。
でも、やっぱしイン・フレイムスには勝てないっすね(当たり前だけど)。まず、どれも似た感じに聞こえます。出だしのリフなんかどれも同じですからね。中身も似たり寄ったりだし。
あと声。これが激しく微妙なんですわ。「歌うのか叫ぶのかはっきりしろ」と言いたい! それくらい中途半端な声なのです。それなりに迫力はあるんですけどね、どっちとも言えない感じが好印象にはならず。
お気に入りは「COME WITH ME」。この曲だけは神曲です。お店で何と300円という破格で売っていたんですが、それ以上の価値は確実にあります。見かけたらお手に取ってみては?

PITCH−BLACK BLUES / 1999年作 / 70点
2枚目です。相変わらずエロいジャケっす。
で、前に比べるとちょっとはよくなりましたね。若干ですがバラエティにも富むようになり、流石に「出だしリフが一緒」には聞こえません。
あと、Gtの音が前より少しだけ良くなり、洗練されたように聞こえました。平たく言えば、よりイン・フレイムスを熟した感じですな(結局こんな言い方かい)。
お気に入りは「CRYSCTHE」。1曲目でこの選曲はいいね。‥‥1曲目はね。
これもお店で500円以内で買えるみたいですので、イン・フレイムス系が好きならやっぱり行っておきましょう。


CRYSTAL BLUE
(クリスタル・ブルー)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥メロディアス・ハード

DETOUR / 2003年作 / 60点
スウェーデン出身のメロハーバンドの2枚目。中古で300円で売っていたので買ってみました。
Keyで綺麗に装飾された草食系男子的メロハーをやっています(決してダジャレではありません)。Voは綺麗だし、演奏もしっかりしてるし(ヘヴィさはありません)、前述したようにKeyがとても良い仕事をしており、メロハーの中でも特に喉越しが良い感じがしました。
しかし、決め手となる1曲が無く、全体的にサビが地味で、ちょっと喉越しが良すぎました。もう少し後味が残っても良かったかな。
お気に入りは「This Is The Time」。昔のZENOっぽくて好きです。


CRYSTAL VIPER
(クリスタル・ヴァイパー)
出身地‥‥ポーランド
ジャンル‥‥正統派ヘヴィ・メタル

METAL NATION / 2009年作 / 80点
ポーランド出身の正統派ヘヴィメタルバンドの2枚目にして日本デビュー作。
系統的にはGRAVE DIGGERやMEAN STREAKのような、いわゆる北欧メロパワとは違う、古き良き、そして男臭い正統派メタルです。
特徴と言えば何と言ってもVoでして、この手のスタイルでは非常に珍しい女性Voなのです。マルタ・ガブリエルという妙齢のおねーさまで、このスタイルによく合う張りのある声を聞かせてくれます。巷では「女版エリック・アダムス」(MANOWARのVo)なんて言われているようです(名誉なのだろうか‥‥?)。
楽器陣もメイデン風ツインギターからテクニカルなソロまでしっかりこなしているし、疾走感も高め。音質も良く、そして前述したVoもなかなかの逸材です。
と、決して悪くはないんですが、残念だったのがメロディです。あと一歩合格点に達してない曲が非常に多いんですよね‥‥。メタルコアの真似をしているわけではないんでしょうけど、サビになるといきなりスピードが落ちる曲も多く、これもマイナス。今後もっとサビメロをキャッチーにすれば、日本でも大いに受けると思います。
お気に入りは「Gladiator, Die By The Blade」。イントロのクサいシンフォニックアレンジがまず良かった。そして、がっつりと聞かせるサビも良かったです。ミドルナンバーですけど。
この手のバンドは疾走感が無い方が結構メロディが良かったりするので、私個人としては疾走感は固持しなくて良いので、とにかくメロディ作りを頑張ってほしいです。


CYDONIA
(シドニア)
出身地‥‥イタリア
ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル

CYDONIA / 2000年作 / 70点
イタリアンメロスピバンドの1枚目。ディスクユニオンで300円で売ってました。売った時の値段は10円でした(泣)。
とまあ、既に売ってしまった事を告白してしまいましたが、彼らはLABYRINTHを目標とするメロスピバンドです。実際オラフ・トーセンがプロデュースをしていたりします。
で、目標としているわけですから、音楽性も初期LABYRINTH直系です(これを書いてる時点でLABYRINTHに既にオラフはいなく、音楽性も変わっておりますが)。シンフォニックな爆走曲が目白押しで、Voもしっかり歌えています。
しかしまったくの没個性で、出来もそこそこ止まり。学級テストで言うなら40人中28位くらいで、誰からも「ねえ、テスト何点だった?」って聞かれないタイプです。
お気に入りは‥‥あっ、売っちゃったから分かんないや。古き良きイタリアンメタルが好きなら人は持っててもいいかもです。


CYNTIA
(シンティア)
出身地‥‥‥日本
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

ENDLESS WORLD / 2012年作 / 78点
日本出身の5人組ガールズメタルバンドの1枚目。
ALDIOUSの登場以降、ガールズバンドが注目されるようになってきましたね。硬派な人にとっては迷惑な事なのかもしれませんが、私は新鮮が空気が入ってきて良いと思っています。ALDIOUSより美人が多い気がするし(笑)。
さて、そういう事を抜きにしても、本作はなかなかの良作だと思います。音楽的にはポップス寄りのメロディックメタルです。特に歌メロにポップスからの影響を感じますが、演奏はキチンとメタルしてると思います。楽曲は疾走、ミドル、バラードがどれも平均的に並んでいます。
特質すべきは演奏力の高さです。ALDIOUSよりもはるかに洗練されていると感じました。特にGtが上手い。流麗なソロもソツ無く弾きこなすレベルの高さはかなりのものだと感じました。顔はギャル系なのになかなかのツワモノですな、このGtさんは。Voも張りのある声で非常に聞き易かったです。
残念な点と言えば、Drが少々機械臭い事。抑揚があまり感じず、人間らしさを感じなかったな。Drにもっと強弱がつけば、楽曲にもメリハリがつくと思います。
お気に入りは「The Endless World」。哀愁漂うサビメロが秀逸です。
大変だとは思いますが彼女達みたいなのが頑張ってこそメタル業界は明るくなると思います。頑張って下さい☆

LADY MADE / 2013年作 / 70点
2枚目。
うーん、普通! 方向性は変わらずバラエティ豊かなポップス寄りのメロディックメタルです。
相変わらずGtはテクニカルだし、勢いもあるし、パッと聞くと悪くないんですが、いかんせんメロディが地味というか、イマイチ心に響きません。
お気に入りは「睡蓮と蝶」。というか、これくらいしか気になる曲が無かったな‥‥。
うーん、どうしちゃったの!? って感じ。でも、これは方向性の問題ではなく、感性の問題なので、次こそ良い作品になる‥‥はず。

LIMIT BREAK / 2014年作 / 73点
3枚目。
前作に比べるとデジタルサウンドが増し、全体的なスケールがアップ。とは言え、曲そのものの方向性は特に変わってなく、全体を通して聞くとやっぱりいつもの彼女達と言った感じでした。
となると肝心なのはメロディになるわけですが‥‥ぶっちゃけここは前作とあんまり変わってないかな。1曲目の「閃光ストリングス」を聞いた時は結構期待できたんですが、聞き続けていくとその期待もしょんぼりと言った雰囲気に。
何だろうな、これは‥‥。決して悪くはないんですが、イマイチズキュンと来ないんですよね。今までクサメロをお腹いっぱい食べてきたから、ちょっとやそっとのメロディじゃ反応しなくなってるんでしょうね、きっと。
お気に入りは「孤影悄然」。ダークなメロディが逆にカッコイイと思いました。
うーん、何だろうな、この違和感は。今になってちょっと彼女達とはソリが合わないのかな、と思ってみたり。

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